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スリンの出方が見られます。図2に非肥満の人で見た成績と肥満の人で見た成績の両方を示しますが、非肥満の人の糖負荷試験の成績がまったく正常な人のインスリンの出方は血糖の動きとほぼパラレルになされています。そして注目していただきたいところは、このインスリンのレベルの2時間値が大体20μU/ml以下になっていることです。
境界型Iというのは、糖負荷試験2時間値が120〜140の人たちです。この人たちのインスリンの出方を2時間値で見ると50μU/ml以上になってきています。インスリンがたくさん出始めていることがよくわかります。
境界型?というのは糖負荷試験の成績の2時間値が140〜200のレベルに達している人たちですが、このレベルまで血糖値が上がってきた状態のインスリンは明らかに50μU/ml以上ですし、インスリンの出方が2時間にわたって遅延・増大のパターンを呈しているという特徴が出てきます。
明らかな糖尿病になると、2時間値は200以上ですが、300まで血糖値が上がると、インスリンのレベルは50μU/ml以下に下がってきている。軽いときにはインスリンがたくさん出ているが、ある程度血糖が高くなるとインスリンの出が悪くなっている、インスリンの出が悪いから血糖値は確実に高値を示すようになる、というプロセスであるわけです。非肥満では軽症な時期からインスリンの分泌異常が見られるということを、まず理解して下さい。
これに対して太っている人たち、この場合BMIで26以上を見ると、耐糖能は正常であってもインスリンはかなり過剰に分泌される傾向にあることは間違いないのですが、耐糖能に障害が加わるとインスリンの出方はさらに加速されます。そして、2時間値が140〜200の血糖レベルになった人たちでは、この2時間にわたるインスリンの出方が非常に大量

 

 

 

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